魅惑のサワーブレッド,その美味しさの秘密

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    魅惑のサワーブレッド,その美味しさの秘密

     

    サワーブレッド

     

     

     

     

     

     

    三ツ星アーサーフロンマーホテルのサワーブレッド

    オランダの首都アムステルダムにーロッパ一日十ドル旅行の著者が経営する三つ星のアーサーフロンマーホテルがあります
    この朝食数種類のパンとチーズを自由に選べるビュッフェ方式でしたがイ麦粉に小麦粉を少し足して焼たサワーブレッドの食欲を誘う芳香と口に広がる酸味の調和は今でも思出すほどすばらしいものでした。 

    この酸っぱいサワードゥブレ(サワブレッドたはサワー種パ)は古くから自然発酵でつくられてきた酸味の強いパンです
    その基本的な製法イ麦粉あるいはライ麦粉と小麦粉を混ぜたものにをほぼ同量加えてバッター(穀類の粉を混ぜたもの)をこね上げ、4~6日間毎日バッターを足しながら発酵さます
    その後回ほど数時間の練り込みをおこなって仕上げ種を作ります。
    これがサワー・ドゥ・スターター(サワー生地種、または、サワー種)と呼ばれるサワーブレッドの発酵種です
    この発酵種は毎日繰り返し植え継がれ次の生地に練り込まれます
    市販のイーストなどは使用せそれぞれのベーカリーや家庭で芸術的につくられ大切に理されてきた種、中には100年以上も植え継がれてきた種もあります
    したがっサワーブレッドをている家ごとで特徴のあるパンができます
    日本酒が蔵ごとに違った酒が醸造されてくるのとよく似ています
    れがサワーブレッドの特徴ですがー種は自然発酵種ですから市販のイーストを使たパンより手がかかりますし酵時間も長くなります
    それだけに複雑で見事な香味が付与されてきます
    アーサーフロンマーホテルのサワーブレッドが美味しかたのも芸術的に発酵させ焼き上げたパンだったからでしょう
    手の込んだ方法で発酵させるサワードゥは然発酵ですから粉や水容器などからいろいろな細菌や酵母が混入してきます
    イ麦粉または小麦粉に水を加えこねておく酸菌や酵母といっしょ菌も混じて発酵はじまりますがそのままにしておくと腐敗しています
    フツフツと発酵が続いているうちにと水を日練り込む母や乳酸菌がその度に選択的に増殖してきま
    その結果、しだいにこねたドゥは酸性になり、雑菌や腐敗菌は生育困難になって抑えられます
    サワードゥの発酵に重要でしかも乳酸にい酵母が乳酸菌とともにますます増殖してきますこうしてできあがたサワードゥを使て焼き上げたサワーブレッ普通の食パンに比べすばらしい芳醇な香りと酸味勝った豊かな食感が生またしとりとしていながら日持ちもよいパンにき上がります。 

    伝統のあるサワーブレッド 

    自然発酵のパンは紀元前5000年頃すでにメソポタで焼かれていました
    小麦や 雑穀の粉水を加えてそのまま発酵させると、まず乳酸菌が生育して酸を作りその後に酵母が働ガスを生成するのでふっくらしたすっぱいパンができま
    れがいわゆ自然発酵のサワブレッです
    そらくその頃のメソポタミアのパンは、サワーブレッドの元祖ともいえる酸っぱいパンたに違いありません。
    現在もライ麦や小麦など料は違てもヨーロッパ全域に広がろいろな方法でサワーブレッドは焼かれてお地域によっては食パンより好まれ多量につくられてい
    このサワーブレッドは原料の穀類によっ
    ライ麦粉でつるライサワーブレッド、と
    麦粉のホイートサワブレッドに分けられます。 

    ライ・サワーブレッドはおもにドツから北欧ロシアにかけてられていますが
    ホイート・サワーブレッドはライ麦粉に比べてふっくと焼き上がるので各地でつくられています
    中でも

    イタリアのパネトーネやフランスのサワーブレッド、
    サンフランシスコの サワーブレッドが有名です。 

     

    本ではかぎられたレストランやベーカリーで発酵のサワーブレッドが焼かれていましたが現在ではパン工場でくられそのほとんどはライ麦粉40~60%

    サワーブレッドの乳酸菌と酵母 

    サワーブレッドの特徴芳醇な香と強酸味それにしとり感ですこの特は乳酸を生成する乳酸菌と付与しパンを膨らませる酵母とが主力とってできあがりま
    にライ麦粉だけのときは生成する乳酸によてドゥに粘が付与さパンとしてらみが保たれます
    サワードゥの主役である乳酸菌については、1902(明治35)にホリンガーがその存在を認めていますがれはリスターがはじめて乳酸菌を分離した1878年からわずかに24年後のとで
    それほどサワーブレッドは古くからある身近な食品だったのでしょう
    その後はヘンネベルグベッカードシュルツなど多くの研究者によっサワードゥに関与する乳酸菌が分離されています。 
    工場で作られるライ・サワー・ドゥの乳酸菌とイーストの数の変化を時間と共に追ってみると乳酸菌は仕込みから8時間後には1g中10億個とになりーストはやや遅れて10~12後に1億個を数えるようになります
    ドゥの中のおもな酸菌は質から乳酸のほかにエタノールや二酸化炭素を生成サワーブレッドの 貢献するへテロ型のブレビスファーメンタム菌おサンフランシスコそれに酸味に関係する乳酸だけをつくるホモ型のプランタラ菌とカゼイ菌ですが、モ型とヘテロ型割合はおよそ55対45といわれてい ます。
    ドゥに含まれる酸は乳酸と酢酸ですがこの割合がサワーブレッドの味覚に大切です
    ドゥの発酵温度を15Cに低くするとヘテロ型乳酸菌がよく生育しが多く生成します
    反対に高温(35C前後)であればホモ型乳酸菌が多くな酸量が増えます
    酸と乳の比率は2対5付近がもとも美味といわれますから温度のコントロールが大切なわけです
    この乳酸菌群ドゥ一グラムの中に10個前いますから指のぐらいの大きさのドゥの中日本の全人口と同じくらいの乳酸菌がいることになります
    そし種類の違う乳酸菌であっても不思議なとにドゥの中の酸菌は生きるためにすべて不飽和脂肪酸のオレイン酸を必要としています
    またおもな乳酸菌であるプランタラム菌やカゼイ菌の標準株は必ずしもオレイン酸を要求しませ
    オレイン酸を必須に要求するとがドゥ乳酸菌の特徴といえでしょう
    代表ライ麦パン(ライサワーブレッ)と小麦粉でつくるホイーサワーブレッドです
    イ麦粉にはグルンがきわめて少なく麦粉パンのようにはうまく膨れま
    しかし乳酸菌によて乳酸が生成されるとタンパク質は粘性をもつようになりうにからみが保れて旨出てきま
    ライ麦粉の膨みの保持は麦粉グルテンと違いタンパク質やデンプンの固化によるもので膨らみ方も少なく火の通りも悪い欠点がありま
    またライ麦パンの固有の香を失わないためにも小麦粉を加えた時間かけて焼き上げるなどの手段が必要になります。 

    サンフランシスコ・サワーブレッド 

    サンフランシスコ湾周辺では100年以上も前からさわやかな酸味のフランスパンがあり気を呼んでいます
    パンのクラストはパリパリしていてサワーブレッド特有の香味をもた味わいの深いパンれがサンフランシスコサワーブレッドです
    製品の2割近くはこの地域で消費されますがアメリカ国内だけでなく外国行者が求めて帰るほど評判の高パンです
    小麦粉塩にサンフランシスコサワーブレッドの固有のサワー(マザースポまたはスタータースポンジと呼ばれる)けを加えてられる統あるサワーブレッドです
    このスタータースポンジの由来ははっきりしませんが一九世紀の中頃ピレネー山脈の西のフランスとスペインにまたがるバスク地方から伝わったといわれいます
    おそらフランスかスペインからの移民がアメリカにもち込んだのではないでしょうか。またイタリアのパネトーネ種とかンフランシスコで生まれたものという説もあります。 

    ともかくすばらしいスターターですから、多くの研究者がこのスターターをもち帰り種の再現と開発に心を砕き細か技術上のコツも学んそのとおりにみました現はむずかしくだいにその特性が失われてしまいます
    日本のベーカリーでもこのスターターを分けてもらて手順どおりにてみましたり返し発酵させているうちにこのパンの美味しさが薄れてしまいます
    こで方なく現在はもらてきたスターターから分離した乳酸菌と母で類似品のサンフランシスコサワーブレドを焼ています
    どうもサンフランシスコでなければ、 うまくいかないようです。 

    発酵食品にはこれによく似た現象があります
    たとえば本酒醸造を見てすばらしい酒を醸し出すA蔵の酒酵母をもてきB蔵でつても酒はなかなかA蔵ようにすれた酒にはなりません
    チーズでも味噌でも同じ現象があることはよく知られています
    だから酵食品は土地土地によまたそれぞれの製造所にて風味の異なった製品が生まれているの
    パン好きだけでなくグルメの人達に評判の高い
    サンフランシスコサワーブレッドは、パン発酵に関わるスターター・スポンジが命と言えます。
    このパン種は取り分けておいた前のスポンジを使用する小麦粉と同量加えてつくりま種としてはたいへんな量で。 

    一方水は全量の約二分の一というきわめて少量を加えます
    乳酸が多くなるとドゥが柔らかくなるのこれを避けるためでしょ
    また小麦はタンパク含量が14パーセントの高タンパク質のものを使用します
    これがパンに締まと適度な歯ごたえを生み出しま
    タンパク質の少ない小麦では生地がゆるくなうまく焼けませんこれがサンフランシスコサワーブレッドの大きな特徴といえます。 

    最初のスタータースポジのもとになる種まず高タンパク質の小粉に皮を剥ジャガイモを加えて潰水をそそいでゆるめのバッターをつく放置しておけばイーの発がはじまて泡が湧いてきます
    の泡が消えた頃もう一度小麦粉加えてンジをつくりますだいに膨らんで倍になったらこのスポンジをスターターとして用パンをくりますがその一部を次の製パンのためのスタータースポンジ用に取り分け一日に二回種継ぎしてパン種としての活力を保持させます
    れで毎日つるサワーブレッド用のスタータースポンジができあがりま
    のスポンジの一部を低温で保管し翌日の製パン部を使用りは小麦粉と水を混ぜ10時間発酵させ次のスタータースポンジをくります
    サンフランシスコサワーブレッドはこのスポンジを種小麦粉100に対して食塩 1.5と水60で生地つくります
    このときの種全量のおよそ10~15ーセントで。 

    そして一時間ほど置いてから成形後ホイロ(最終)をしその後蒸気をかけながら焼き上げます
    このように複雑な手段を経な美味しいサンフランシスコサワーブレッドはできない。 

    サンフランシスコ

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    イーストの不思議

    パン発酵をはじめるのは周知のようにイースト(酵母)です
    ところがサンフランシスサワーブレッドはみんなか愛されてながらその製法も関係する微生物について調査究が長間おろそかになっていまし。 

    30年ほど前の1970年カリフォルニアにあるアメリカ農務省西部研究所のクラインとスギハラは手の付けられていなかったこの分野を解明しようと研究を始めました
    まず、サンフランシスコにある4か所のパン工場からサワーブレッドの
    命でもあるスタタースポンジを手に入れ、200株以上のイーストと数百細菌を分離てその特性を調べたところ最初らおかしな現象を見つけました
    スポンジのイーストにはガラクトースを資化できるもののマルトースはたく利用できないタイプとそれとはまく逆の二のタイプがあることがわたのです
    そし前者のイーストはすべての工場かかも数多く分離されましたらかにスンジの主要なイーストといえます
    パンの発酵では小麦からのマルトースが重要な発酵のための糖とています
    たがっマルトース発能のあることがパンイーストの大切な条件なのですところがサンフランシスコサワードゥの主要なイーストにはマルトースの利用能力がありません
    この楕円形のイーストは酸耐性が強くほかのイーストがなかなか殖でいないpH 八くらいのドゥの中でも増殖します
    また一般のパンーストと違タンパク質合成阻害剤のシクロヘキシミドに対する抵抗性ももています

    乳酸菌の変わり者

    サンフランシスコサワードゥの細菌にも新しい発見がありました。
    販のライサワードゥからの乳酸菌とサンフランシスコサワードゥから分離された酸菌の糖発酵性を比較してみました
    スギハラら事で

    ライサワーからの乳酸菌はグルコースやスクロースなどをよく発酵していますがサンフランシスコサワドゥからの乳酸菌はずれの工場から分離された株マルトースのみ発酵しグルコースもスクロースも利用できません
    変わった乳酸菌だけがサンフランシスサワーブレッドの発酵で活躍してきたのですこれらの乳菌は約グラムのスタータースポンジ中に六~二〇億個としてはイーストの~一〇倍にあたります
    これの乳酸菌はすべてれぞれ違たサンフランシスコ近郊の四工場のサワードゥから分離された株です
    全株とも乳酸酢酸および二酸化炭素を生成するヘテロ型の桿オレイン酸を必ず要求します
    また好気いずれの条件でもよく生育しますが利用できる糖はマルトースだけです
    ドゥの中で長く生活してきたからでしょう
    変わった株ですから既知の代表的な乳酸菌とDNAの相同性をレゴン州立大学のスリランガナサンやバイスらが調べました
    また形態や生理試の結果からもれらの乳酸菌スギハラらがラクトバチルスサンフランシスコと種として提唱したものでした
    サンフランシスコサワブレッドの主要イーストと主乳酸菌は合せまく棲み分けているので
    またその仲間がイタリ北部の景勝地コモ湖のほとりにありますフルーツ菓子のよなパネトーネです。 

    サワーブレットのかわり者

    イタリアのパネトーネPaneitone)世界のパンの流でいるサワーブレッドの一つ酸味もありますがさな平野川などを加えた山みの無いパンですか、菓子パンの仲間ともいえます
    タリアでは小麦粉の硬質に合わせ北部のパン(パーネPane)中部の麺(マカロニMacaroni)部の平焼きパン(ピッツPizza)などをくっておンでも細いグリシーノ(Grissino)全土に広がっていますがパネトーネはイタリア北部でよく知られたパンです
    ところがパネトーネはサワーブレッドの一種りながら、かなな変わり者で、
    イタリア以外では美味しいものができないのです。 

    しっとりとした深パネトーネコモ付近でしかつくれませ
    種をもらってきて別の場所でても回はそれなりにできますが数カ月も経過すると独特の味覚も失われてしまいます
    わが国もパネトーネを製造ている工場がありますがここでも~四カ月に一回はコモの工場から空路で新しいパネトーネを運んでいます。 コモ付近の清冽な空気すばらし境のもとに棲みいているコモの微生物でないとパネトーネ種は生まれ育たないようで。 

    パネトーネ

     

     

     

     

    手数のかかる複雑な発酵 

    ほかのパンやサワーブレドに比べパネトーネ製法は手が込んでいて複雑です
    パンの発酵にはまず質のよいスターター()が必要それにはそのもとになるマザースターターが大切です
    ちばん最初のマザースターター種誕生には少し水を足した酸乳(ヨーグルト)に小麦粉を加えて発させたという説昔は種りの子牛の腸が手頃だったことから初乳を飲みはじめたばかりの子牛の腸に小麦粉を入れておいたところ、子牛の腸内菌が作用し たという説などがあります
    パネトーネ種たこ糸できっちり縛てあちょうど腸詰めのソーセジやハムに似ていることから小麦粉を詰めにしたという説が有力なようで
    ずれにせよ最初の種は植え継ぎので酵母と乳酸菌の体質と発酵力が増強さ現在の種になっ たと思われます。
    手にすると燻したような香味もありますがれも乳酸菌によるもので防菌防カビ作用があるようで
    市販パンは 1週くらいでカビが生えてきますがパネトーネは三~四カ月以上たっても大丈夫です。
    パネトーネ種を使用した菓子ンにはパネトーネ以外にギザギザをけた縦形の黄色いンドロ平たい小さなパンドリイースターに食べられる鳩型のコロンバなどがあります。 

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