カビについて知っていますか?食中毒・アレルギー・水虫・真菌症(カビ対策には乾燥が必要)

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    カビについて 発酵と微生物
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    カビについて知っていますか?食中毒・アレルギー・水虫・真菌症

    おいしい発酵食品をつくるカビ,いいカビ悪いカビなど,どのくらい知ってますか?
    一般の人の多くは、カビに対して不潔なイメージを持っていて、臭く、病気の原因になるからなるべく殺菌、消毒して消滅させてしまうのが生活の面でも重要だとおもっているでしょう。 しかしカビの仲間のうち、人の生活と健康を支えている種類は、全体の99%をも占めます。 特にコウジカビは、日本人の健康の基本となるほど大きな貢献をしているのです。
    おいしい発酵食品を作るカビ。そもそもカビって何?キノコもカビ?
    カビを知ってますか? キノコと同じくらい知ってますか? おいしいキノコか毒キノコかを、よく知っているアマチュアは多い。 一方、カビに詳しいアマチュアというのはあまり聞いたことがない。 カビを観察したり調べたりするのは、ごく少数の専門家に限られている。 食物の観点からすると、カビとキノコの最大の違いは、おいしく食べられるものがあるか否かだ。 キノコを紹介した本は多いが、カビの本は非常に少ない。

    食中毒(カビによる食中毒も増えてきました)

    食中毒の原因といえば、皆さんが思い浮かべるのは大腸菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリー才菌などの細菌類でしょう。
    なかでも恐ろしいのがボトリヌス菌で、1984年に九州で真空包装されたカラシレンコンを食べた人が、食中毒によって二五名も死亡した例があります。
    確かに、これまで食中毒は細菌によるものが中心でしたが、最近ではカビによる食中毒も増えています。

    アカカビによる食中毒

    アカカビ(フザリウム)が生えた麦が原因で起こる食中毒があります。
    1954年に東京で、アカカビで汚染した麦でつくった菓子を食べて25名の食中毒患者が出ています。
    アカカビで中毒が起こるのは、アカカビがつくる毒素が原因です。
    たとえば、フザリウム·トリシンクタムというアカカビは、トリコテセン (T-2毒素ともいう)という毒素をつくります。
    この毒素は化学的に非常に複雑な化合物で、一般の調理による加熱では分解消失しません。
    実験用ネズミに口から与えた場合、半数が死亡する量(急性経口毒性LD50)は体重1キログラムあたり3.8ミリグラムです。
    皮膚への毒性(経皮毒性)も強く、皮膚の激しい障害を引き起こします。
    この毒素が体内に入ると、白血球が減少する食中毒性無白血球症を起こすことがあります。
    これが進むとガンの症状に発展する心配もあるので、単なる食中毒と侮ることはできません。
    アメリカでは、カビの発生したトウモロコシを60%含む家畜の飼料から、このトリコセテンが分離されたという報告があります。
    飼料用のワラや豆ガラにアカカビが生え、これを食べた家畜のミルクや卵、肉などに毒素が移行し、最後に、毒素入りの食品を食べた人が食中毒にかかります。
    ロシアでは、アカカビの生えた麦でつくったパンを食べて、死者が何人も出ています。
    ロシアの北部では、春の雪どけが終わってから種子を蒔くので、麦が実るのは秋になります。
    この季節は、取り入れの前夜に大雪が降って麦畑が雪に深く埋まって収穫不能になることがあります。
    刈り取ることができないので、麦を雪に埋もれさせたまま冬を越してしまいます。
    雪の下は暖かくアカカビの繁殖に最適の条件になるので、食物の材料として利用するときには、すでに小麦がトリコテセンに濃厚に汚染しています。
    このため被害が深刻になるのです。
    麦角中毒という食中毒は、クラビセプスというカビが原因です。
    このカビは、ライ麦の若い穂に侵入して繁殖し、黒褐色の長さ約1センチのかつお節のような形をした菌核を穂の中に角のように突き出します。
    これが麦角で、ライ麦の穀粒に0.5%含まれていると、麦角中毒を起こします。
    1926年にロシアで大規模集団中毒が起きて、多くの人が死亡した例があります。
    麦角中毒はヨーロッパが中心で、日本で発生したことはありません。

    コウジカビがつくるアフラトキシンという毒素は発ガン性があります。
    たとえば、温度と湿度の高い環境で保存しておいた米や豆、トウモロコシなどに、コウジカビの一種アルペルギルス·フラバスというカビが増殖して、内部にアフラトキシンが蓄積します。
    これらを使った食品を食べると、ガンになる心配があります。
    ただ、カビ自体が悪さをするわけではないので、一度や二度このカビの生えた食品を食べてもガンにはなりません。
    アフラトキシンに汚染されたものを、知らずに6か月~1年という長期にわたって食べ続けると、ガンになる心配が出てきます。
    この事実が正しく伝わっていないせいでしょうか、カビの生えた食物を食べるとすぐにもガンになると心配する人が多いようです。
    鳥や家畜にコウジカビが発生した飼料を不注意で半年与え続けたために、鳥や家畜がガンになった例は報告されていますが、人間がこのカビの生えた食物でガンになった例は日本ではありません。

    どのカビでも、激しく生えれば食品は、見た目も悪くなり、鼻を近づければ特有のカビ臭がするので、気持ちが悪くて、そのまま食べる人はいないでしょう。
    正月のもちに少し生えたカビは、以前は、その部分だけ削り取って食べていましたが、(現在は食べないように指導されています)。

    餅カビ

    パンに生えたカビは激しく臭うので、食べる人はいないでしょう。
    輸入チーズには一面にカビが繁殖した製品がありますが、これはカビを使ってよい風味をつくり出した高級チーズですから、味わいはよく、すでに数千年も人が食べているので中毒や悪い病気にかかる心配はありません。
    最近、住宅を訪ねて、「室内にアスペルギルス·フラバスが発生しているのでガンの心配がある」と防カビ塗装を勧める塗装業者などがあります。
    カビの生えた塗装面を食べるわけではないのですから、この説明はまちがいです、心配することはありません。
    相手に恐怖心を与えて商売をしているのなら悪徳商法といえます。

    また、テレビ番組や婦人雑誌で、冷蔵庫内にアスペルギルス·フラバスが検出されたので、庫内の食品を食べるとガンになる、と伝えることがあります。
    これも、大きなまちがいです。
    このコウジカビの一種は、ゆっくり時間をかければ冷蔵庫の中でも発生しますが、庫内の低温では毒素であるアフラトキシンは発生しないので、ガンの心配は無用です。
    もちろん、カビの生えた食品は食べないほうが賢明です。
    ただ、室内や冷蔵庫内にカビが繁殖するのは衛生管理がよくない証拠なので、改善することが重要です。

    アレルギーと階息–目に見えないカビの胞子が空気中に浮遊します。

    1980年ごろ、テレビの特別番組として小児の曙息の実態について放映されたことがあります。
    4~10歳の幼児·小学生が重症の喘息に冒され、名古屋大学医学部小児科の病院に200名が入院、300名近くが毎日外来で診察を受けているという報道でした。
    子どもたちは、夜フトンに入って身体が温まると激しい咳に苦しみ、そのせいで睡眠が妨げられ、朝学校に行ける状態ではないというのです。
    専門医がいろいろと検査したところ、咳はカビの胞子の作用によるものであることがわかった、という内容でした。
    喘息の激しい子どもたちは、高級マンションの住人ばかりであることに、私は驚きました。
    当時のマンションの室内はどこもカビが旺盛に発育しています。
    ススカビ(アルテルナリア)、クロカビ(クラドスポリウム)、ツチアオカビ(トリコデルマ)、アカカビ(フザーリウム)などが主力でした。
    以前、壁面をきれいに拭ったあとでTBZという薬剤を配合した塗料を塗り、カビを排除しました。
    それから三か月経過し、暗息に苦しんでいた子どもたちはすっかり咳が止まって元気になりました。

    マンションでは、壁などにススカビ、アカカビ、ツチアカカビなどが繁殖し、その表面には、1平方センチメートル当たり10億個もの胞子が付着しています。
    胞子は非常に軽いので、人が通るときのわずかな風圧や、エアコンや加湿器からの風の流れによって、表面から簡単にはがれて空気中に浮遊します。
    目には見えませんが、そういう環境で生活していれば、胞子を吸い込んでアレルギーの感受性の強い人は、皮膚や目が腫れて苦しみます。
    清酒工場の麹室で若いころから麹づくりを続けた人が、老人になったころ、カビの胞子で瑞息に苦しむことがあります。
    これは職業病と言えます。

    水虫ー(ゲタとゾウリの合理性)

    下駄と草履

    今から100年くらい前まで、日本人はゲタやゾウリを履いて生活していました。
    江戸時代まで、旅人はワラジをつけて歩きました。
    ゲタもワラジも通気性がよく、足がむれないので、湿気の多い日本の生活には非常に合理的な履き物と言えます。

    そのころは水虫に悩む人はいませんでした。
    1925年ごろになると、都会では小学生が靴を覆くようになりましたが、地方ではゲタとゾウリが主力でした。
    社会人や学生が靴を履くようになったのは1940年ごろのことで、このころから、主として男性が水虫に侵され始めた記憶があります。当然ながら、水虫の防止薬や治療薬はまだなかった時代です。
    女性が日常的に靴を履くようになったのは1950~60年以後です。
    とはいえ、男性とちがって、長時間にわたって靴を履くことはないので、水虫に悩む女性は少なかったようです。
    それが最近では靴を長時間履くようになって、この二~三年、女性も男性と同じくらい水虫に侵されるようになったという統計の結果が出ています。

    水虫を起こすのは、トリコフートンというカビが主力です。
    このカビは、足の裏の厚い皮膚の内部に侵入して皮膚の表面を崩し、激しいカユミを起こします。
    体質や症状によっては皮膚が裂けて腫れ、出血して歩行困難になる例もあります。
    カビが発育する部位によって病名が異なり、頭に繁殖したときはシラクモ、陰部が侵されるのをインキンと言います。
    すべて同じカビのしわざです。
    靴の通気性が悪いため、長時間履くうちに足がむれて、足の裏の皮膚が軟化し、水虫カビが厚い皮膚の中に侵入しやすくなります。
    40年くらい前は、水虫の季節は6月から8月頃でしたが、今日では、事務所でも家庭でも場所を問わず、暖房で床まで暖かいので水
    虫は一年中はびこっています。

    民間療法は数々ありますが・・・?
    患部に酢を塗る、梅干を塗る、毎日何回か食塩水に足を漬けるなど、水虫退治の民間療法は非常にたくさんあります。
    私の友人は40年もの長い間、水虫とつき合っている間に30以上の民間療法を試みましたが、まったく効果が見られなかったそうです。皮膚科の専門医の見解では、厚い皮膚の中まで薬が行きわたらないので生き残る菌があること、そのように中途半端に薬を常用することでカビが薬に対する抵抗力をつけ、水虫はよけいに治りにくくなるということです。
    大学生のとき、靴下の洗濯を怠って、汚れた靴下を何回も着用したせいで、左足の指の間を2×3センチほど水虫に侵されました。
    そのころは、サリチル酸のアルコール溶液が治療薬の主力でした。
    これを患部に塗り続けると四~五日でカユミが止まって、皮膚の表面はきれいに修復されますが、翌週になると、また皮膚が崩れてカユミがひどくなります。
    この繰り返しでいっこうに治りません。夏に泳いだりすると患部が裂けて痛みを感じ、秋まで治りませんでした。
    1950年ごろからカビの研究を始め、いろいろな防カビ剤を入手できるようになりました。
    TBZやプレベントールという薬剤を0.05%くらいの濃度でエチルアルコールに溶かして患部に塗ってみると、それまでに使った薬や市販の水虫薬よりはるかによく効くように思われ、これで完全に治るかと期待したものです。
    外国旅行のときも小ビンにこの薬液を入れて持ち歩き、旅先でも常用しました。
    それでも完全に治ることなく、約30年も水虫とつき合うことになりました。

    靴に問題があることも
    約15年間にわたり、夏場の三か月間はベルリンにアパートを借りて、ドイツ人の中で生活することを続けました。
    友人となったドイツ人たちに、水虫のことを話しても、だれも知らない。
    彼らは、朝も昼も職場で、夕方も夜も家の中で、常に靴を履いています。
    靴を履く生活は日本よりはるかに古く、13世紀ごろに描かれた靴修理の古い油絵を見たことがあります。
    それでも、彼らは水虫と無縁なのです。
    調べてみると、ヨーロッパの人たちは毎日、同じ靴を履き続けることはなく、一日に何回も履きかえているのです。
    ドイツのおしゃれな女性は、靴を200足も持っていて、地下室の木の棚に並べています。
    ヨーロッパには梅雨や秋の長雨のシーズンはなく、五月から八月いっぱいまで、外気は湿度20%と乾燥しています。
    地下室の湿度も15%くらいですから、靴の内部は乾燥して水虫菌が活動できない環境になっています。
    こういう風土なら、靴を履いて生活するのは快適だと思います。
    靴そのものも、日本と違います。
    ベルリンで一万円ぐらいの靴を求めて履いてみると、内部が蒸れず、足が爽かな気分になることがわかりました。
    向こうの靴は、表の部分だけでなく、底も裏もすべて牛の革でできているため、通気性がよいのです。
    ベルリンから東京に帰るとき、ドイッで買った靴を履いたまま約三〇時間過ごしますが、蒸れません。
    新幹線の車中で、多くの人が靴を脱いだり、スリッパに履きかえている光景は、日本の靴では足が蒸れるせいだと気がつきました。
    形が崩れないようにとの配慮からか、それとも耐久力を向上させるためか、日本製の靴の底の中心には、ポリウレタンなどのプラスチックが埋めこんであります。
    日本では良質の革が品薄で価格も高いために、プラスチックで補強する方法を考案したのだと思います。
    そのために、もともと内部の通気性が悪いうえに、汗がポリウレタンに吸収されて常に湿っています。
    そこには、足からの汚れも集積します。
    カビや細菌が活動しやすい状態となり、不快な臭気を発します。
    靴はカビの巣窟のようなもので、そこへ足を入れて長時間歩き回れば、靴の中は水虫菌にとっては天国のような好適な環境になります。
    水虫が悪化、進行するのは当然と言えます。
    ドイツやカナダでは牛革製のよい靴が日本よりはるかに安いので、旅行にでかけるたびに求めて行くうちに、私の靴には日本製がなくなり、すべてヨーロッパとカナダの製品に入れかわりました。
    それから二年ぐらい経過したとき、私の水虫は忘れたように治り、以後二〇年以上再発していません。

    薬を塗るから治らない?
    30年以上も水虫とつき合ってカユミに悩まされ、工夫をして薬剤をつくり患部に塗って試して、最後にわかったことは、水虫は薬を塗るから悪化して治らない、ということです。
    抗生物質の使いすぎで耐性を持つ病原菌かできるのと同じように、水虫も、よく効くと宣伝される新しい水虫薬に抵抗力をつけるため、水虫が悪化して完全に治らないのです。
    これが正しい結論といえます

    ノーベル賞もの!といわれた水虫対策はこれだ!
    足ではなく、靴と靴下を殺菌するというユニークな発想で水虫対策をご紹介します。
    靴下は毎日、逆性石けんでよく洗って殺菌します。
    それとともに、PCMX(パラクロメタキシレノール)という揮発性の殺菌剤を靴の中に入れ、靴全体を大きなプラスチック袋へ入れて口を締めます。
    10日もすると、靴の内部に潜んでいるカビと細菌を完全に消滅できます。
    このように無菌化した靴と靴下を使うことで水虫の再感染を防ぐのです。
    40年間という一生の大半を水虫に苦しみ、多くの民間療法を試して失敗した友人にこの方式を教えたところ、四か月で水虫完治という皮膚科の医師の診断を受けました。
    その後も八年間、再発していません。
    この方法は、水虫の治療ではなく、水虫の人の皮膚への再感染を完全に遮断することに主眼があります。
    殺菌するのは人の皮膚ではなく、靴下と靴なのです。(その点、誤解のないように、ご理解ください。)

    足をよく洗って……という常識を疑え一
    一般の常識では、足を毎日よく洗って清潔に維持することが水虫の予防対策と言われます。
    家庭雑誌、婦人雑誌、テレビ、新聞なども、すべてこの方法を推奨しています。
    けれども、自然界では、カビと細菌や酵母がうまい具合に調和をとって生きています。
    健康な人や動物の体の表面には、一平方センチ当たり3000~10万個もの微生物が棲息しています。
    この中には、水虫のカビの繁殖を防ぐ働きを持つピチロスポラム·オバーレという酵母がいます。
    この酵母は垢の中に含まれているので、あまり熱心に足を洗うと、この酵母が失われ、かえって水虫カビを増殖させ、水虫を悪化させることになるのです。
    群馬県渋川にある漬物会社の社長Hさんは六六歳ですが、皮膚のつやがよく活力があふれているので、五〇歳ぐらいに見えます。
    水田に素足で入って耕し、稲づくりを毎年行ない、そこで収穫した米で麹をつくって漬物に加え、質のよい製品を作ります。
    大根や白菜も自分の畑でつくり、素足で作業をしています。
    彼の足は、実にきれいで輝くような皮膚をしていて、水虫の経験はないそうです。
    土一グラム当たり一億もいる微生物が、彼の足と健康を守っているのです。
    清潔に身を整えることは大切ですが、洗いすぎると微生物を排除する結果になり、健康を向上させないと言えるのではないでしょうか。

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    真菌症-カビが原因で起こる病気の総称です

    カビは学術上は真菌に分類されることから、カビによって起こる病気を真菌症と総称します。
    原因となっているカビの種類が明らかな場合は、そのカビの名称を使ってアスペルギルス症、ムコール症、カンディダ症などと命名されます。

    人の命をねらうカビ
    比較的よく知られているのが、肺の内部にカビが侵入して増殖する病気です。
    これまでの検査では、コウジカビ(アスペルギルス)とケカビ(ムコール)が多いことがわかっています。
    カンディダというカビが原因となることもあります。
    増殖が激しいと生命が脅かされます
    クリプトコッカス·ネオフォルマン スというカビが脳の中で増殖し、中枢神経が侵される脳クリプトコッカス症という病気は、80%の患者は一年以内に、多くは二~三か月で死亡する恐ろしい病気です。
    このカビは、ハトやツグミのフンの中に非常に多く発見されます。
    フンが乾燥するとカビは空気中を浮遊して、呼吸とともに肺の中に入り、肺クリプトコッカス症になります。
    その後、このカビは少しずつ血液の中に流れ込み、脳へ移動して増殖する性質を持っています。
    体力が衰えていると急速にカビが増えるので、今日でも的確な治療法がないうえ治療経験のある医師が少ないことはまことに小細く心配です。
    黒色分芽菌も、人の命をねらう恐ろしいカビです。
    10歳の少年が結核性リンパ節炎と診断され、抗生物質で治療をしたところが病状は悪化して、しだいに意識が薄れていき、入院一年半で死亡しました。
    解剖してみると、黒色分芽菌というカビが体内のいたるところに増殖し、リンパ節が腫れあがっていました。
    脳の中までカビがはぴこったことが死因とわかりました。

    遅れている真菌園症の研究
    微生物の正体が明らかになったのは、今から130年ぐらい前のことです。
    以来、医学の専門家を中心に、人と動物を苦しめる病原菌の解明が進み、今日の細菌学が大きく進展しました。
    中でも、感染を起こす結核菌、ベスト菌、コレラ菌、プドゥ球菌、コレラ菌などは最も重要な細菌として、くわしく研究されました。
    その一方で、同じ微生物であるカビによって起こる病気の研究は非常に遅れています。
    日本人の生活で五〇年くらい前から問題になったのは水虫ぐらいで、ほかはようやく皮膚に発生する障害や目の病気などが少しずつわかってきた段階です。
    人の生命を脅かすカビは、現在100種類ぐらいあると言われていますが、くわしい研究はほとんどありません。
    従来からカビが原因で起こる病気についての認識は低く、その専門医も非常に少ないので適切な治療ができずに病状が悪化する例も多いのです。
    たとえば、一般の感染症の治療は、約50種の抗生物質を使う習慣になっています。
    しかし、抗生物質はカビにはまったく無効であるばかりか、逆に真菌症を悪化させます。なぜでしょうか?
    自然界では細菌とカビはうまく調和を保って生活していて、むやみにどちらか一方だけが強力に増殖しないようになっています。
    ところが、抗生物質を連用すると、健康を支えている大切な細菌が死滅したり弱ったりして、カビに対するにらみがきかなくなります。
    このせいで、カビが勢いよく増殖して真菌症が急速に進行するのだと考えられます。
    他の病気の治療で抗生物質を連用することも、同じような結果をもたらします。
    抗生物質によって病気を起こしている細菌は弱ったり死滅したりしますが、同時に、必要な他の細菌まで弱らせてしまうので、カビが勢いよく発育して暴れまわり、人間をいためつける結果になるのです。

    やがて来る? カビによる病気の大流行
    日本のマンションや新建材の住まいの内部には、多くのカビがのさばっています。
    ところが、これらのカビが人の健康に及ぼす悪い影響について、多くの人たちはあまり認識していないようです。
    医師にしてもカビに対する認識が低く、知識もないのが実情で、治療上の失敗と言えるケースも多く見られます。
    すでにわかっている真菌症でさえ治療法や予防法が確立されているとは言えません。
    カビの国にもかかわらず日本は、真菌症の研究で外国に遅れをとっています。
    文献や調査をまとめた真菌症の専門書を開いてみると、熱帯のアフリカ、インド、マレーシア、台湾、シンガポールなどで、人体の骨、脳、目、内臓、生殖器、皮膚を侵して死に到らしめるような恐ろしい真菌症の事例が数多く報告されています。
    日本の風土では、このような恐ろしい真菌症の発生した例はないようですが、安心できません。
    地球の温暖化によって、やがて、このような真菌症が日本でもたくさん発生するようになる可能性があります。
    今のうちから調査と研究を始めておくべきだと思います。

    健康な生活を送るための対策とは
    (1)自然に即応した規則正しい生活を続ける。
    とりわけ、エアコンは止めるーこれが室内環境をカビで悪化させる最も大きな原因になっているからです。

    エアコンカビ


    (2)健康な人の皮膚の表面、口腔、鼻孔中、目の中などあらゆる場所に健康を守り、病原菌の発育を阻止する微生物が数多く活動している事実をよく理解する。
    人の健康に脅威を与える恐ろしい細菌とカビが人の身体の内外で猛威を振るわないように、微生物が各所でミクロの戦いをして人体を安全に守っているのです。
    この大切な微生物の活性を低下させないように努力する。

    (3)抗生物質と医薬品は正しく使い、素人療法で薬を用いたり濫用しない。

    (4) マスコミ情報やメーカーの宣伝を鵜呑みにして薬や食品を買わない。
    テレビや雑誌に出てくる、「試してよかった」という言葉を信用したり、他人から勧められたりして、 薬や食品を利用する風習を止める決心が大切です。

    (5)十分な休養と睡眠、正しい食生活を心がける
    睡眠不足や過労によって、真菌症にねらわれやすくなります。

    住まいにおけるカビ被害–昔の木造住宅の智恵に学ぶべき

    昔の家

    今から50年以上前、日本人が木造の家に住んでいた時代には、住まいの中にカビが生えて困るということはまったくありませんでした。
    田舎の100年以上古い木造の家は、天井が今の家よりはるかに高く、床の下は高さが六Oセンチ以上、家によっては1メートルもあって、床下で子どもたちが遊べるほどの空間がありました。
    天井の杉板の上には梁が並び、その上を立って歩ける高さの空間があって、その上部が屋根になっていました。
    床下も天井も空気がよく流れるので、湿気は家の中に溜まりません。
    土の壁は、雨が降って部屋の中が湿ると速やかに水分を吸収しますが、好天の日はその水分を外気に放出して乾きます。
    畳も部屋の湿気を吸い、床下の空間へ放出します。床板はわざとすき間をあけて張ってあり、水分が速ゃかに床下へ移るように工夫された構造になっています。
    このような木造住宅の構造は、数百年来の多くの失敗と経験から生まれた貴重な文化遺産といえるものだと思います。

    マンションの落とし穴
    今日の多くの住宅では、こうした先人の教えがまったく活かされていません。鉄筋コンクリートと金属枠のガラス戸という、雨の少ない欧米に適した建築方式が、日本にも適していると考える建築家の不勉強のせいでマンションが乱立し、入居している人がカビの被害を受けているのです。
    住まいのカビ被害が目立ち始めたのは、1970年ごろ、大都市で木造の家を壊し、コンクリート造のマンションが増えて以来のことです。
    マンションのほうが木造住宅より耐久力があり地震や火災に強いと宣伝され、窓が大きく明るくモダンな感覚にあふれていることもあって、多くの人がマンションに憧れました。
    ここに落とし穴があったのです。
    1970年頃、住宅公団が二年がかりで建てた大規模な集合住宅がカビの被害を受けました。
    最後の仕上げの段階で、室内に壁紙を貼り、さらに塗装で美しくできあがったのですが、すぐに塗装した壁面と塩ビの壁紙の表面一面に大量のカビが生えて、強いカビ臭を放つようになったのです。
    そのころ、塗装と内装の職人にはカビの知識がまったくなく、なぜカビが生えるかを正しく理解していない時代でした。

    壁紙も塗料もカビの大好物
    日本の今日の住まいで、ひどくカビが生えるのは壁紙(紙ではなくポリ塩化ビニール製)や塗料です。
    塩化ビニールのシートに60%も配合される可塑剤などはカビの好物ですし、塗料の成分もすべてカどの大好物です。
    乾燥している気候が一年中続くヨーロッパやアメリカでは塗装面にもプラスチックにもカビは生えませんが、日本の風土のように雨が多く湿気の多い所ではカビの被害が出るのです
    しかも、アルミサッシとコンクリート造の住宅は密閉性が高く、場所によって結露が起こります。
    その湿気のせいで、カビが旺盛に発育するのです。
    少し古いデータですが、1985年の住宅公団の居住者調査によれば、賃貸住宅の約50%、分譲住宅の56%の人が、結露·カビについて「やや悪い·悪い」と答えています。
    結露やかびの被害が多いことをうかがわせる結果です。

    湿度の高い日本の新常識
    コンクリート造の建物については、耐久性の面でも誤解があるようです。
    木造の家は地震や火災に弱いが、コンクリートの家は実に頑丈で耐久力に優れているというのが一般常識になっています。
    ところが実際には、雨が多く湿度の高い日本では、この常識はまったく逆になっています。
    日本の代表的な鉄筋コンクリート建てビル、丸の内ビルディング (丸ビル)は、わずか74年で老朽化が進み、取り壊して2002年に新しく建設されました。
    一方、奈良の法隆寺や京都の御所のような古い木造建築ははるかに耐久力が優れ、長寿命です。
    新潟県、富山県、石川県のように雨の多い地域でも、120~150年の歳月に耐え普通りに使われている木造民家はたくさんあります。
    雨が多くても、木は湿気を吸収しいったん水に濡れても好天になると乾くので寿命が長いのです。
    ドイツ、ライプチヒ市の中央駅の前の五階建ての石の家は800年の風雪に耐え、まだ人が暮らしています。
    あと300年は使えるといいますから、寿命は半永久的です。
    これに対して、日本では高級なマンションの寿命は40年くらいなのです。

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