おいしい発酵食品,和三盆糖は江戸時代の白砂糖

最近のコメント
    竹糖 発酵食品
    スポンサーリンク

    和三盆糖 ※高級和菓子の原料

    まだ砂糖が高嶺の花だった江戸時代、白い砂糖を求めて、日本独特の手法が考案され和三盆糖が生まれた。
    ただ甘いだけの精白糖とは一線を画す、昔作りの砂糖が徳島上板町に続いている。
    白を求めて熟練の手が研ぎだす江戸時代の和製砂糖

    竹糖

     

     

     

     

    「口にあてたら、とがっとるのと、まろっこいのと、たちまちわかります」
    吉野川流域の上板町で和三盆糖作りをする岡田英彦さんはそういって、しっとりとした象牙色の砂糖を、すすめてくれた
    舌にふれるやいなや、春先の牡丹雪のように消え失せて、穏やかな甘さがふわっと広がった。
    パワフルな黒糖とも、ただ甘いだけの精白糖ともちがう。
    その甘さは深々として繊細微妙。
    和三盆糖は18世紀末から阿波、讃岐地方独特の手法で作られてきた、いわば江戸時代の白砂糖である。
    当時、白い砂糖は、ごく限られた上流階級の嗜好品として珍重されたものらしい。
    細黍の汁を煮詰めた褐色の白下糖を、白肌の和三盆糖にする技法は、秘中の秘。
    製法場へは部外者一切、立入禁止だったそうだ。
    上板町の砂糖作りは、230年ほど前に農閑期仕事として始まった。
    「親父の代は農業が主体で、砂糖は副業でした。 半農半糖の家がこの町に100軒あまりあったです。
    昔は坂をのぼってくると、 ここら一番、診糖を焚く甘い包いがしたもんです。戦前まではみな白下糖でした」
    砂糖黍栽培農家は、搾って焚いた白下糖を樽詰めして、和三盆糖製法場へ出荷していた。
    農家には白くする技術はなかったという。
    砂糖黍搾りは昭和24年頃まで、牛が回す石臼だったそうだ。
    黍収穫の始まる2月になると、「しめこ」と呼ばれる専門職集団が、徳島の山間地から頑丈な牡牛を何十頭とひいてやってきた。
    蔵人をとりまとめて酒造りにくる、杜氏のようなものである。
    「村を夜中の2時に出て、こっちへ着くのが夕方だったと聞いてます。牛の首につけた鈴の音が、ちりんちりんいうてな。遠くからでも、ああ来るなとわかったもんです」
    収穫した黍は、できるだけ早く搾らないと味にひびく。
    「夜中の1時から夕方まで、休みなしで搾ったもんです」
    圧搾機に変わった今も、長いつきあいのしめこ集団が、代々同じ山村からやってくる。

    色と味を追求していくとだんだん昔に返っていった。


    甘い匂いのする茶場に、もうもうと湯気がたちこめる。
    この匂いを喫ぎつけたら、黙っちゃいないはずの蟻が、不思議に見あたらない。まだ冬龍りか。
    それとも砂糖に飽きたか。
    製法人もハテと首を傾げる。
    こればかりは蟻に聞いてみないとわからない。
    釜焚きの勘所はアク抜きである。
    ここではしょると、仕上がりの白さが出てこないという。
    搾り汁に牡蠣殻の灰を、ひとつまみふりこんで気長に煮ると、アクや塵を包み込んで泡が浮き上がる。
    灰のアルカリ分で搾り汁を中和させ、砂糖をかためる役目もするという。
    「石灰でもできんことないんですけどな、わずかな苦みが出る。昔ながらの牡蠣殻灰がええんです」
    さらに沈澱槽で不純物を取り除き、上澄みを煮詰めると褐色の白下糖になる。

    和三盆糖

    「研ぎ」と「圧し」という独特の手法で、白肌に仕上げるのが製法人だ
    「研ぎというのは、米を研ぐのと同じです。呼び水を含ませて練り、蜜を引き出すわけです」
    この道50年、坂東千代吉さんは81歳、ばりばりの現役である。
    ごつく大きな手が、水を打ち、砂糖をむんずとつかみ、こね、練り上げる。
    これをてこの原理でひと晩圧すと、にじみでた黒蜜がとろりと滴る。
    繰り返すたびに、徐々に色は白く、粒子は細かく滑らかになっていき、5回目にようやく象牙色の砂糖に仕上がる。
    樫の木の圧し棒、重石と荒縄、桜の木の研ぎ槽、木製圧し槽に木桶。
    製法場で使い込まれた工芸品のような道具は、200年前とひとつも変わらない。
    まる5日かかる蜜抜き作業も、今どきの遠心分離器にかければ、たった1時間ですむそうだ。
    「機械入れよか」とあるじの岡田さんがいえば、「そんならやめさしてもらう」と一徹の老職人が応える。
    「味と色を追求していくと、だんだん昔にかえっていくんです。
    食物はなんでもそうやけど、うまなかったらあかん」
    甘い砂糖より、旨い砂糖である。

    和菓子・洋菓子・コーヒー紅茶 に是非

    コメント

    %d人のブロガーが「いいね」をつけました。
    タイトルとURLをコピーしました