発酵と微生物の食物連鎖と生物濃褊

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    発酵と微生物
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    発酵と微生物の食物連鎖と生物濃褊

    生物社会を巨視的に見てみると、徹生物、植物、動物のあいだにエネルギーや物質の流れが存在することがわかります。
    その一つが食物連鎖という現象です。
    生物の種または集団のあいだで、食べたり、食べられたりするという関係です。
    一例として、海洋における食物連鎖では、それを単純化してしめせば
    植物プランクトン → 動物プランクトン→ 無椎動物→ 肉食脊椎動物→ 人
    となります。
    海洋で生まれた植物プランクトンは、動物ブランクトンが補食し、それを無脊椎動物が補食し、ついには肉食脊椎動物の餌となります。
    その一部を私たちは食糧にしています。
    微生物は、この食物連鎖に何も関与していないように見えますが、実際はそうではありません。
    微生物は、生物の死体や排泄物を分解し無機物化して、植物ブランクトンの栄養源を供給するはたらきをしています。
    いわば食物連鎖の各段階で、徹生物はこの分解処理機能を発揮し、植物プランクトンの食物を生産して、連鎖のつなぎ役となっているのです。
    湖や沼では原虫類が微生物細胞を餌としていて、食物連道の一員になっています。
    海洋の沿岸部や陸水の湖沼では、河川に運ばれて大量の栄養塩が蓄積します。
    窒素やリンの濃度が高くなったところへ、水温、日照などの条件がそろうと植物プランクトンの異常発生が思こります。
    六月から九月にかけて、霞ヶ浦や琵琶湖、瀬戸内海や東京湾でしばしば観測される 赤潮と呼ばれる現象がそれです。
    プランクトンの細胞の数は海水1ミリリットルあたり数千個から百万個にも達します。
    赤潮の発生した水域は、大量の植物プランクトンが酸素を消費するために、酸素が不足する状態になり、魚や貝が死んでしまうことがあります。
    これまでにも養殖漁業に大きな被害をもたらしてきました。
    プランクトン自身も酸素不足や栄養塩を消費していくことで、やがては消滅します。
    赤潮の原因となる植物プランクトンは、水域に住んでいる徹生物であり、それらが異常なほど大量に増殖することは、水質に変化が生じていることを示しています。
    代謝分解されにくい物質は、食物連鎖にともなって生物間を移動していくあいだに、その濃度がそれぞれの個体内で高まっていきます。
    この現象を生物濃縮といいます。
    ヨードを含んだ食品として重要な海藻は、海水中のヨウ素を約二万倍に濃縮しています。
    濃縮物質が有害物質である場合には、食物連鎖の最終段階の生物、とくに人間が摂取すると、高濃度になっているので、深刻な問題を引き起こします。
    河川に流入した水銀が微生物や藻類の細胞内に取込まれて、ついで水中の昆虫から魚類へと移っていくごとに濃縮され、人の体内にはいり、さらに母乳を通じて乳児へ移っていくことがあります。
    このような生物濃縮が原因となって水銀中毒の発生したことは周知の事実です。
    最近になって、たとえばPCBなどの生物の体のなかで代謝されない合成有機化合物の生物濃縮が問題になってきました。

    微生物と物質循環

    生物の有機物を構成するおもな元素は、炭素、水素、酸素、窒素の四つです。

    無機物から有機物へと変わっていく第一歩は、炭酸同化作用にあります。
    空気中および水中に二酸化炭素として存在する炭素は、まず陸および海洋の植物が光エネルギーを使って有機物として固定します。
    空気中には、容量割合で0.03パーセントの二酸化炭素が存在します。
    一方、海洋には重炭酸イオン(HCO,) として溶けて存在しており、その量は空気中の60倍になります。
    植物が光合成に二酸化炭素をいくら利用しても、空気や海洋中の濃度が変化しないのは、他方で絶えず補給されているからです。
    陸および海洋における炭素の固定量は、あわて年間10の10乗トンに達するといいます。
    もし補給が途絶えたなら、現在の消費量からいって、空気中の二酸化炭素は約ニ十年後には消失してしまいます。
    二酸化炭素は、有機物が分解することによって補充されているのです。
    有機物から二酸化炭素へ変わる化学的プロセスは燃焼ですが、生化学的プロセスもあり、それに徹生物が深くかかわっています。
    植物は、光合成反応において酸素を発生します。
    空気中にはつねに容量割合で21%の酸素が存在していますが、この濃度を一定に保つことにも植物が重要なはたらきをしてることになります。
    もし空気中の酸素濃度が四パーセント上昇すると、地球上の有機物は燃え尽きてしまうと考えられています。
    アマゾン河流域の広大な密林地帯が、地球上の大気成分を安定化するのにおおいに役立っているはずです。


    動物は、植物とは逆に、呼吸によって酸素を吸収し、二酸化炭素を吐き出しています。
    微生物を含む生物全般の呼吸作用も、炭素と酸素の循環に貢献しています。
    生物の生命活動が終わると光合成作用も呼吸作用も停止しますが、生物細胞のなかの有機物は、土壌や海洋の徹生物がおこなう好気的酸化作用、あるいは嫌気的酸化作用によって二酸化炭素として放出されます。
    このように地球上のすべての生物は、炭素と酸素の消費と補給をおこない、生命活動を維持すると同時に、それらのバランスを保つ役割も果たしているのです。
    最近になって、大気中の二酸化炭素の濃度がすこしずつ上昇しているというデータが発表されました。
    その原因は、産業革命後の急速な工業の発達にともない、それまで地下に埋もれていて炭素循環の系から外れていた石炭、石油、天然ガスなどを大量に消費したことにあります。
    この増加傾向がこれからもつづくと、その温室効果のため地球上はだんだん温かくなっていき、気候や光合成になんらかの異変が生ずるのではないかと心配されています。

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