発酵と微生物 大腸菌

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    発酵と微生物
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    大腸菌

    DNAからメッセンジャーRNAができ、それがリボゾームというコンピューターをコントロールして、その工場でいろいろなタンパク質をつくっています。
    これが、いわゆる遺伝子工場です
    この工場の一つの種類

    一番有名なものは、大腸菌でしょう。

    最初にレーダーバーグらが使っていた大腸菌K12株が、よく研究されているという理由から、遺伝子工場の利用研究に用いられました。
    大腸菌は、そのDNAの50パーセントしかわかっていないにもかかわらず、私たちにとって一番あつかいやすい微生物です。
    この大腸菌のDNAの長さは、1.8ミリメートルです。
    このなかに約4000程度のプログラムがはいっています。
    そのうち私たちにわかっているプログラムは約1000個ほどです、研究が進み、いろいろなことがわかってきました。
    大腸菌工場がいうことを聞いてくれるプログラムも、すこしずつ解明されてきました。
    そこでわかったのは、大腸菌ほどいろいろなDNAを読んでくれる生物はいないということです。
    それは、種の壁が比較的低いという意味です。
    大腸菌は、異なったプログラムでも、まがりなりにも読みうるということです。
    ですから、人間の遺伝子でも、大腸菌という工場のコンピュータは読んでくれるのです。
    大腸菌は、異種のDNAも比較的おおらかに体のなかに保持しています。
    つまり、大腸菌は、異種のDNAに対して気がいいのです。
    軒先を貸して母屋をとられることもままあります。
    本来あるべきDNAを追い出してしまい、異種のDNAが居座っている例も往々にしてあります。
    異種のDNAを取込みやすいということは、工場にして利用する場合には非常に具合がいいことです。

    大腸菌群と大腸菌の違い

    大腸菌群は、食品衛生上の分類で、大腸菌と同じような性質を持つ
    「人や動物の糞便にいる菌 + 自然界に広く存在している菌」です。

    この大腸菌工場にも欠点はあります。

    まず、大腸菌の1リットルあたりの菌体量、生育量がすくないということです。
    いいかえれば、収量がほかの微生物とくらべて低いということです。
    だいたい1リットルあたり20グラムしか生えてきません。酵母ですと100グラムぐらい生えてきます。
    また、大腸菌というのは、ほとんど菌体内につくった物質 (ほとんどは酵素タンパク質)を分泌しません。
    これが遺伝子工場としての最大の欠点です
    大腸菌は、自分の体のなかにつくったものをすべて体のなかに溜めていきます。
    いってみれば、工場が生産物を一切出荷しないということですから、いつかはパンクしてしまいます。
    目的の物質をたくさんつくらせようとしても、大腸菌一匹の菌体の大きさまでしかつくることができないのです。
    ほかの微生物はつくるそばから菌体外へ分泌していきますから、いくらでもつくらせることができます。 最近になって、大腸菌につくったものを分泌させることが可能になってきました。
    この問題は、いつかは解決できるでしょう。
    分泌しないというということは、生産物の精製とも関係します。
    大腸菌の細胞膜は、そのなかに発熱性の物質を含んでいます。
    大腸菌は菌体を膜で覆っていますが、大腸菌をすりつぶして精製すると、その発熱性物質が徴量ながら混ざってしまう場合もあります。
    精製技術がしっかりしていれば問題はないのですが、前述しましたとおり、精製は非常にむずかしいのです。
    純粋に生化学的に見た場合には、大腸菌は非常にいい微生物で、遺伝子工場として最適だと
    いえます。
    しかし、バイオテクノロジーとして見たときに、テクノロジーとしての面、ダウン.ストリームの問題が残ります。
    工学的あるいは応用微生物学的に見た場合には、経済性がない微生物となります。
    工場としては何にでも使えるのですが、出荷体制が整っていないことが問題なのです。
    そのような大腸菌を使ってバイオテクノロジーを発展させようとしていたことに矛盾はあります。
    もちろん研究者はそのことに気がついていたのですが、ほかに方法がなかったのです。

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